2006年5月31日
宇宙の出てこないSF
[ 本 ]
もう5月も終わりですね。はやいなー。
歳をとるにつれて時間の流れが速く感じるのは、分母が大きくなるからだ、ってどこかで読んだような。5歳児の1年は人生の1/5だけど、35歳の一年は人生の1/35なわけです。速く過ぎるわけですよ。
というネタをふくらませるとSFになりそうな気がします。そういうSFあるのかな?
それで思い出したのですが、「マトリックス」という映画があります。という映画があります、って書く必要なんてないほど有名ですね。
SF的にみるとマトリックスの道具立ては目新しくなくて、基本的には「現実と区別がつかない、住人も仮想だと思っていない仮想世界」パターンで「その世界は電子的に構成されている」パターンです。それが分かっているひとなら、この映画を一見していろんな設定を読み取れると思います。マトリックスの外で生まれたひとにはインタフェースがないとか、錠剤やら電話に見えるものはマトリックスから離脱したりログアウトしたりするためのコードだけど、マトリックス内で自然に見える形をとっているとか。
てな雑談を会社でしてたら(仕事しろ>自分)、そういうのもSFっていうの? と聞かれました。SFといえば宇宙が出てくるイメージだそうです。
うん、確かに古き良きSFは宇宙だ。でも70年代以降はそうでもないのだ。わたしも詳しいわけじゃないですが。
マトリックス的な、「この世界は本物なのか? 」パターンのSFはたぶんたくさんあるのですが、まずは『ユービック』(P.K.ディック)でしょうか。
『ユービック』の舞台は宇宙とかじゃありません。月とか超能力者は出てきますが。喫茶店で出てきたコーヒーが腐り、クルマがクラッシックカーになっていき、人間までも退行していく現象。その時間退行を食い止める唯一の特効薬「ユービック」。ユービックはさまざまな形であらわれます。退行現象は何なのか。ユービックとはなんで、なぜ効くのか。
読んでいると、じわじわと「この世界は本物なのか?」という作中人物の不安が伝染します。
電子的に構成された仮想世界を扱ったSFはいまや死ぬほどあると思われますが、古典をひとつといえばやはり『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン)ですね。いまさら紹介するのもはばかられるほどの古典ですが。なにしろこいつは1984年の作品なんです。20年以上前なんですよね。「マトリックス」という用語はこの作品に既にあらわれています。このほかにも『マトリックス』という映画には、この作品から借りている固有名詞が多いようです。
そして『ニューロマンサー』、黒丸尚氏の訳文がクールなのです。かっこいいのです。引用したいんですがいま手元に本がないのでのちほど。
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こんにちは。ほんのりSF好きです。
宇宙出てこない作品て、うっかりするとファンタジーだと思うことありますね。
最近よく出てるスタージョンは、どっちなんだろう?
ん?ファンタジーとSFの区別ついてないのかもしれないです。
以上、よろしくお願いいたします。
投稿者 タイコ部はSFも少し好き : 2006年5月31日 15:40
ユービック、そんな話だったねぇ。スプレーしかおぼえていないよぅ!!
もう一度読み直そうかしら?
SF好きだとファンタジーもいけるよねぇ、けっこう。。。
ヒロイック・ファンタジーって設定がSFちっくな場合がぁ。
よくわかんなくなってきたよ、ついでだからまとめて私に教えて!
投稿者 yukiki : 2006年5月31日 17:42
SFっていうとStar WarsやStar Trekを連想する人は多いのかもしれませんね。もっともLucas曰くStar WarsはSpace Fantasyだそうですが。
私はこれらも大好きですが、筒井康隆や小松左京、星新一ら日本のSFに親しんできたので、むしろ宇宙ものの方がSFの中でも限られたジャンルのように感じています。
投稿者 shinsuke : 2006年5月31日 20:00
支那の道家の思想家・荘子の「胡蝶の夢」と云ふのもありましたね。
自分(荘子)が荘周としてこの世に生きてゐるのも、昆虫の蝶がうたかたに見る夢に過ぎないかもしれず。
戦国時代の南方の雄国・楚の屈原の厭世思想につながるものもあり、かなり古くからの考へ方かも知れませんね。
投稿者 若旦那 : 2006年5月31日 20:21
ディックは好きですが、ユービックは読んでいません。
ニューロマンサーは、当時興奮して読んだものです。
あと、私はアジモフとかも好きです。
投稿者 まろ : 2006年5月31日 21:18
サイバー・パンク って言葉は死語になってしまったのかな~
投稿者 ぷらちな : 2006年6月 1日 00:01
タイコさま> スタージョンは一応SF作家ってことになってますね。SFとファンタジーの区別って話は難しいです。というか、うっかりSFを定義しようとするとSF者に怒られるので、この話題はなかなか難しい。
投稿者 こじま : 2006年6月 1日 14:48
yukikiさん> ユービックわたしもあんまり覚えてなくて、でも手元に本が見つからなくて。『ユービック: スクリーンプレイ』だけあります。
SF的な設定がある小説を違和感なく読める人は、たしかにファンタジーも読めますね。設定自体はファンタジーでもSFでも似たような設定のことがありますな。
SFの定義ってのは難しい(というか私にはよく分かってない)ですが、その定義の中に道具立て、設定は入っていないと思われます。あくまでもSF的発想が大事なかんじ。
それに対して、ファンタジーの定義にはきっと道具立てが含まれるんじゃないかと思います。ってこれもファンタジーファンに怒られるかな。
だから、ファンタジーかつSFって小説も普通にありうると思われます。
投稿者 こじま : 2006年6月 1日 14:52
shinsukeさま> SFの定義には道具立ては含まれないはずなので、宇宙もののSFはSFのごく一部分って感覚はきっと正しいと思われます。宇宙ものだけどSFとはいえないものもあるし。センス・オブ・ワンダーを感じられるものがSFだ、なんて定義もありますね。
投稿者 こじま : 2006年6月 1日 14:55
若旦那> 実例ありがとう。この世界は本物ではないかもしれない、という発想自体は哲学そのものと同じくらい古いのでしょうね。
投稿者 こじま : 2006年6月 1日 14:56
まろさん> ユービック面白いですよ~。わたしははじめて読んだディックがユービックでした。
アジモフは私も好きですよ。特にロボットものは好きで、未訳だったものもかきあつめてほとんど全部読んでると思います(見落としあるかもしれませんが)。
投稿者 こじま : 2006年6月 1日 15:01
ぷらちなさま> そういえば、「サイバーパンク」ってジャンルは消えてしまったのでしょうかね。ウィリアム・ギブソン自身も書いてないですよね。
投稿者 こじま : 2006年6月 1日 15:02
黒丸尚訳の作品と言えば、ジャック・ウォマックのディストピア小説「ヒーザーン」「テラプレーン」もおすすめです。
作品世界内のスラング(名詞の動詞化や極端な省略など)が地の文にまで適用され、それが独特の雰囲気を作り出します。
本当はこの2冊以外にも色々あるのですが、あまりに独特すぎて日本では殆ど受け入れられていない(どころか、本国でも「あんなものは文章ではない」とまで言わしめているようですが)うえに黒丸氏の死去で残りは刊行が絶望視されております。
サイバーパンクは文学界からアニメ界に引き継がれたんじゃないでしょうか。
投稿者 芹沢 : 2006年6月 1日 17:26
「ニューロマンサー」。そうか、すでに古典なんですね。
最近、なぜか周囲でダン シモンズの「ハイペリオン」ブームです。
こじまさんは、お読みになりましたか?
投稿者 せんたろう : 2006年6月 1日 22:11
芹沢さま>「ヒーザーン」苦労しながら読みました。日本語なのに。
黒丸氏が亡くなったのは痛いですよね...。
サイバーパンクがアニメに引き継がれたのですね。なるほど。
投稿者 こじま : 2006年6月 2日 07:15
せんたろうさま> 『ニューロマンサー』は古典というには新しいけど、サイバーパンク的な小説自体があたらしいですからねー。『ハイペリオン』読みましたよー。『エンディミオン』は未だ読めていませんが...。
投稿者 こじま : 2006年6月 2日 07:17